アキレス腱障害(実質、付着部症)SYMPTOMS

アキレス腱障害(実質、付着部症)とはあきれすけんしょうがい

この疾患の主な症状

アキレス腱障害はアキレス腱の踵骨付着部から2-6cm近位の実施部障害と付着部障害に分けられます。

原因と病態

腱実質部の障害には、アキレス腱周囲炎とアキレス腱内に障害の及ぶアキレス腱症があり、両者が合併していることもあります。腱の変性が高度となると腱断裂に至ります。

診断

アキレス腱実質部の障害

アキレス腱症もアキレス腱周囲炎も腱の付着部から2~6cm近位の腱実質部に腫脹と圧痛を認めることが多いです。足関節の底背屈で疼痛部位が変化するのがアキレス腱症の特徴です。
腱変性の要因には外的要因と内的要因があり、外的要因は腱への過負荷が挙げられ、運動選手や重労働者に多く見られます。内的要因としては、年齢、性別、体重のほかには脂質異常や腎臓透析、副甲状腺機能亢進症や関節リウマチなどがあります。ステロイドやニューキノロン系抗生剤などの薬剤も危険因子と言われています。診断はエコーで血流の増加が良くわかりますが、腱の質的評価にはMRIが有用です。

アキレス腱付着部の障害

アキレス腱付着部の障害には滑液包炎を原因とするものと、踵骨付着部での骨化や骨棘障害、踵骨の後上方隆起のインピンジメントによる付着部の腱症があります。踵骨の後外方の骨性隆起と軟部組織の肥厚はpump bumpといわれています。
アキレス腱付着部の踵骨後方に腫脹と発赤を認めることが多いです。背屈可動域制限や底屈時の疼痛を訴えます。単純X線でアキレス腱付着部の石灰化や骨棘の有無を確認します。
アキレス腱の質的評価にはMRIが有用です。

予防と治療

アキレス腱実質部の障害

治療は保存治療が原則で、安静、鎮痛剤など薬物療法から開始します。当院では拡散型圧力波治療に加えてeccentric exerciseによる運動療法を行います。足部アライメント異常があれば足底板を作成することも可能です。

アキレス腱付着部の障害

治療はアキレス腱実質の障害と同じとなります。保存治療に抵抗性であれば、手術が行われることがあります。

引用元: MB Orthop.32(1):49-56、2019「アキレス腱障害(実質、付着部症)」
https://www.zenniti.com/f/b/show/b01/1090/zc01/1.html

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