肩関節前方不安定症SYMPTOMS

肩関節前方不安定症とはかたかんせつぜんぽうふあんていしょう

この疾患の主な症状

外傷を契機に発症することが多い肩関節の不安定症で、前後、下方といずれの方向にも起こりえます。脱臼、亜脱臼を繰り返していることが多いですが、運動時を中心に不安定感は脱力感、疼痛を訴えます。

原因と病態

外傷性では、脱臼や亜脱臼を繰り返して反復性となっている場合が多いです。一方非外傷性不安定症(ルースショルダー)という概念もあります。上腕骨の中心と肩甲骨の関節窩の中心が合わさった求心位を保持することで、われわれは腕を挙げたり回したりできるのですが、求心位を保持する軟部組織が破綻することで不安定感を訴えます。

診断

外傷の有無、関節弛緩性(異常に関節可動域が大きい)、不安定性の方向などを評価し、肩関節周囲の筋萎縮の有無、神経麻痺の有無などを評価します。レントゲンでは分からないことも多く、CTやMRIなどが必要となることが多いです。

予防と治療

初回脱臼・亜脱臼時には、まず局所安静を指示しますが固定肢位には内旋位(三角巾固定)よりも外旋位固定の方が、再発率が低いという報告もあります。リハビリテーションでは不安定な方向に対する筋力訓練をおこないます。競技レベルや競技内容(ラグビーやアメリカンフットボールなどのコンタクトスポーツなど)によっては、早期の手術が望ましい場合もありますので、よく相談しましょう。オーバーヘッドスポーツ選手の投球側については、投球フォームや身体の使い方を調整することでコントロールできることがあります。ただし難治例(不安定感でスポーツに支障が出るなど)については、手術が必要となることがあります。

引用元: 日本整形外科学会「肩関節前方不安定症」
https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/repetitive_shoulder_dislocation.html

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