TFCC損傷SYMPTOMS

TFCC損傷とはてぃーえふしーしーそんしょう

この疾患の主な症状

手首の尺側(小指側)の痛み、回内外(気を付けの姿勢で手のひらを上にしたり、下にしたりする運動)可動域制限。手関節尺側部痛は回内外時と尺屈(小指側に傾ける)時に生じることが多く、ドアノブや蛇口やペットボトルのふたをひねった時やタオルを絞った際、荷物を棚に上げる際に強い疼痛を訴えることが多いです。

原因と病態

三角繊維軟骨複合体(triangular fibrocartilage complex)をTFCCといいます。手関節尺側の靭帯や繊維軟骨の複合体で、機能は尺骨手根骨間の支持性、遠位橈尺関節間の支持性、尺骨と尺側手根骨の荷重伝達分散・吸収および手関節の複雑な運動性といわれています。この支持機構が破綻することで疼痛が出現します。原因はスポーツ外傷では単発のものから反復外力によるものがあります。元来橈骨よりも尺骨が長い方、橈骨の骨折による短縮に伴い尺骨が相対的に長くなった方は起こりやすいと言われています。

診断

受傷機転やスポーツ歴、骨折の既往などの聴取が大切となります。徒手検査では手関節尺屈強制や尺屈強制回外矯正により、手関節尺側部に疼痛が出現するulnocarpal stress testや、尺骨茎状突起尺側に圧痛を認めるfovea signがあります。画像診断にはレントゲンやMRIが用いられます。

予防と治療

保存療法では装具、サポーターなどで手関節を固定し、局所の安静を図ります。保存療法で抵抗性の症例では手術が選択されることがあります。

引用元: 日本整形外科学会「TFCC損傷」
https://www.jssh.or.jp/ippan/sikkan/pdf/27TFCC.pdf

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