腰椎分離症SYMPTOMS

腰椎分離症とはようついぶんりしょう

この疾患の主な症状

発育期に腰痛を呈する代表疾患である腰椎分離症は腰椎の疲労骨折です。第5腰椎に好発し、発育期に2週間以上の腰痛を下位腰部に訴える場合は腰椎分離症を想定した検査が必要です。

原因と病態

腰椎分離症のほとんどは10代の発育期に発生する疲労骨折です。親子や兄弟など家族間の発生率が高いことからも何らかの遺伝的素因の可能性が報告されています。

診断

触診が大事で、骨折部位に圧痛を認めることが多いです。
腰椎伸展(反らす)、腰椎回旋(ひねる)動作で疼痛が出現する場合(ケンプサイン陽性)は腰椎分離症を疑う必要があります。ただし発生初期には疼痛が軽度でスポーツ時にのみ疼痛が出現し、安静にしていると疼痛が改善することが多く、診断が遅れることがあります。

画像検査ではX線撮影を行いますが、初期にはX線では不鮮明なことも多くCTやMRIなどが必要となることが多いです。まれに仙骨の疲労骨折が隠れている可能性があり、疼痛が遷延し仙骨部に圧痛がある場合はMRIが鑑別診断に有用です。

予防と治療

基本的に最初は全例コルセットによる保存加療をおこないます。
CTやMRIで病期分類(重症度の判定)を行い、コルセット装着期間を判断しご本人、ご家族に予後および治療方針を説明して決めていきます。基本的にはMRIでの骨髄浮腫像が消失してからのスポーツ復帰を目指します。当院では腰椎を後屈させない状態で行えるストレッチの指導や体幹筋力訓練の指導などを行っています。保存治療で抵抗例については手術が行われることが、ごくまれにあります。小学生、女子はすべり症へ移行するリスクが高いと言われており、注意深い経過観察が必要となります。

引用元: MB Orthop.36(5):39-48, 2023「腰椎分離症」
https://www.zenniti.com/f/b/show/b01/1508/zc01/1.html

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