頚椎症SYMPTOMS

頚椎症とはけいついしょう

この疾患の主な症状

「頚椎症性神経根症(けいついしょうせいしんけんこんしょう)」または「頚椎症性脊髄症(けいついしょうせいせきずいしょう)」とも称します。頚椎症性脊髄症では、ボタンのはめ外し、お箸の使用、字を書くことがしにくくなったり、歩行で足がもつれるような感じや階段で手すりを持つようになったりという症状や手足のしびれなどが症状として出現します。
頚椎症性神経根症では、肩から腕の痛みが生じます。腕や手指のしびれが出ることも多く、疼痛は軽いものから耐えられないような痛みまで程度をそれぞれです。

原因と病態

頚椎症とは、脊椎を構成する椎体と椎体のクッションの役割をしている椎間板の膨隆や椎体にできる骨のとげが形成されることをいいます。
このことで、頸椎の神経の通り道である脊柱管(せきちゅうかん)の中にある脊髄が圧迫されて症状が出現する頚椎症性脊髄症と脊髄から分かれて上肢にいく、神経の枝(神経根しんけいこん)が圧迫される頚椎症性神経根症に分かれます。
日本人は脊柱管の大きさが欧米人と比較しも小さく、『脊髄症』の症状が生じやすくなっています。スマートフォンやパソコン中心の生活で頸椎~胸椎にかけての形状が崩れると脊柱管が狭くなる一因になります。

診断

首を後ろや後ろ斜めに傾けることで現在の症状が増悪する方は、頚椎症性神経根症や頚椎症性脊髄症を疑います。
手足の感覚異常や筋力低下がないことを確認し、手足の腱反射の異常などを確認して診断します。
X線(レントゲン)で頚椎症性変化を認めることで診断します。ただし中年以降ではX線での頚椎症性変化はほとんどの人で認められますので、確定診断にはMRIが必要です。

予防と治療

症状が出ない姿勢を取ることが大事です。消炎鎮痛剤の投薬や、当院では頚椎症性神経根症に対しては、マッケンジー体操の指導を行っています。前額部や後頭部を打撲することで首が意図しない方向に曲げられることで、しびれや疼痛が急激に増悪し、脊髄の圧迫が強い方は四肢麻痺(脊髄損傷)になる可能性もあるので、転倒には注意が必要です。筋力低下が著しい場合や、日常生活が障害されている場合や手術が必要となる場合もあります。

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