膝が痛い……原因は「軟骨のすり減り」だけではありません
「膝が痛いのは、年齢のせいでしょうか?」
「レントゲンで軟骨がすり減っていると言われました」
膝の痛みで受診される患者さんから、よく聞かれる言葉です。
もちろん、変形性膝関節症は膝の痛みを引き起こす代表的な病気です。しかし、膝の周囲には半月板、靱帯、腱、筋肉、脂肪体など、さまざまな組織があります。
そのため、膝が痛いからといって、原因が必ずしも「軟骨のすり減り」だけとは限りません。
痛む場所によって、考えられる原因は異なります

膝の内側が痛い場合
膝の内側の痛みでは、変形性膝関節症のほかに、内側半月板損傷、鵞足炎、内側側副靱帯の障害などが考えられます。
半月板による痛みは、膝関節の裂隙付近に生じることがあります。一方、鵞足炎では、関節よりも少し下にある脛骨内側に痛みや圧痛がみられます。
同じ「膝の内側の痛み」でも、痛む位置や痛みが出る動作によって、原因となる組織が異なります。
膝の外側が痛い場合
膝の外側では、外側半月板損傷、腸脛靱帯炎、外側側副靱帯の障害などが考えられます。
腸脛靱帯炎は、ランニングや自転車など、膝の曲げ伸ばしを繰り返す運動で起こりやすい障害です。外側半月板の障害では、身体をひねったときの痛みや、膝の引っかかりを伴う場合があります。
膝のお皿周辺が痛い場合
膝のお皿の周辺が痛む場合は、膝蓋大腿関節、膝蓋腱、膝蓋下脂肪体などが関係していることがあります。
階段の上り下り、立ち上がり、しゃがみ込み、長時間座った後などに痛みが出やすいことが特徴です。
膝だけでなく、股関節や足部の使い方、膝が内側へ入る動きなどが影響していることもあります。
膝の後ろが痛い場合
膝の後ろの痛みには、半月板後方の障害、ベーカー嚢腫、関節にたまった水、ハムストリングスや腓腹筋などの筋肉・腱の付着部が関係する場合があります。
「膝の裏が張る」「曲げると詰まる」「膝の後ろにふくらみを感じる」といった症状がみられることもあります。
痛む場所だけでは診断できません
痛む場所は、原因を探すための大切な手がかりです。しかし、同じ場所の痛みでも原因は一つとは限りません。
診察では、次のような点を確認します。
・いつから痛むのか
・どの動作で痛むのか
・腫れや熱感があるか
・押して痛む場所はどこか
・引っかかりや膝崩れがあるか
・膝の曲げ伸ばしができるか
・歩き方や身体の使い方に問題がないか
必要に応じて、レントゲン、超音波、MRIなどの画像検査を組み合わせます。
レントゲン所見と痛みの強さは、必ずしも一致しません
レントゲンで変形や関節裂隙の狭さが確認されても、それだけで現在の痛みの原因をすべて説明できるとは限りません。
反対に、レントゲン上の変化が軽くても、半月板、腱、靱帯、脂肪体などに痛みの原因が隠れている場合があります。
画像だけで判断するのではなく、痛む場所、症状が出る動作、診察所見、身体の使い方を一緒に確認することが大切です。
このような症状は早めにご相談ください
・膝が急に腫れた
・体重をかけて歩くことが難しい
・膝が引っかかって伸びない
・膝崩れを繰り返す
・赤みや熱感、発熱を伴う
・痛みが長く続いている
「年齢のせい」「軟骨がすり減っているから」と決めつけず、まずは何が痛みを引き起こしているのかを確認することが大切です。
整形外科たけなかクリニックでは、画像検査だけでなく、痛む場所や動作、関節の動き、歩き方、身体の使い方などを確認しながら、患者さんと一緒に原因を探していきます。
膝の痛みでお困りの方は、お気軽にご相談ください。