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歩くと脚が痛い・しびれる……原因は「腰」だけではありません

「歩いていると、脚が痛くなったり、しびれたりする」
「少し休むと、また歩けるようになる」
「腰の神経が原因でしょうか?」

このような症状は、腰部脊柱管狭窄症などでよくみられます。

しかし、歩くと現れる脚の痛みやしびれは、腰だけが原因とは限りません。血管の病気や末梢神経の障害、足部の問題などでも、よく似た症状が起こることがあります。

腰・神経根からくる症状

腰部脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアなどによって神経が圧迫されると、お尻から太もも、ふくらはぎ、足先にかけて痛みやしびれが現れることがあります。

腰部脊柱管狭窄症では、

・立っていると症状が強くなる
・歩き続けると脚が痛む、しびれる
・椅子に座ると楽になる
・前かがみになると歩きやすい
・自転車では比較的症状が出にくい

などが、原因を考える手がかりになります。

歩行と休息を繰り返す状態を「間欠性跛行」と呼びます。

ただし、間欠性跛行は腰の病気だけで起こるものではありません。

血管からくる症状

脚の動脈が動脈硬化によって狭くなり、歩行時に必要な血液が筋肉へ届きにくくなる病気を、末梢動脈疾患といいます。従来は、閉塞性動脈硬化症と呼ばれることもありました。

血管由来の場合は、

・一定の距離を歩くと、ふくらはぎが痛む、重くなる
・立ち止まって休むと症状が改善する
・足が冷たい
・左右で足の色や温度が違う
・足の脈が弱い
・足の傷が治りにくい

といった症状がみられることがあります。

患者さんによっては、痛みやだるさを「しびれ」と表現される場合もあります。

喫煙歴、糖尿病、高血圧、脂質異常症などがある方では、血管由来の可能性も考える必要があります。

腰部脊柱管狭窄症では「座る、前かがみになると楽になる」、血管由来では「姿勢に関係なく、立ち止まって休むと楽になる」という違いが手がかりになります。

ただし、この違いだけで診断を確定することはできません。

末梢神経からくる症状

腰から離れた場所で末梢神経が圧迫されても、脚や足にしびれが生じます。

腓骨神経障害

膝の外側にある腓骨頭付近で腓骨神経が圧迫されると、下腿外側から足の甲、足趾にかけてしびれや感覚低下が現れます。

症状が強くなると、足首や足趾を上へ反らしにくくなり、つまずきやすくなることがあります。

同じような筋力低下は腰の神経根障害でも起こるため、足首を内側・外側へ動かす力、膝や股関節の筋力、感覚の範囲などを組み合わせて鑑別します。

足根管症候群

内くるぶしの後ろを通る神経が圧迫されると、かかとや土踏まず、足底から足趾にかけて、しびれや灼けるような痛みが現れることがあります。

内くるぶしの後ろをたたいたときに、足底へしびれが広がるかどうかも確認します。

足趾の先だけがしびれる場合

足底のMTP関節より先、つまり足趾の付け根から先に限局したしびれを訴える方もおられます。

前足部の神経が刺激されるモートン病では、特定の足趾間へ痛みやしびれが広がることがあります。診察や超音波検査などでモートン病を評価します。

一方、モートン病、足根管症候群、腰の神経障害、糖尿病などによる多発神経障害、血流障害などを調べても、足趾末梢のしびれを一つの病名だけで説明することが難しい場合もあります。

このような場合に、無理に病名を決めつけることは適切ではありません。

危険な血管障害や進行する神経障害がないかを確認したうえで、足部の形、足趾の動き、荷重のかかり方、靴、歩き方などを評価することが大切です。

当院が足趾の運動療法を大切にしている理由

足趾が十分に動かず、MTP関節をうまく使えない状態では、足底への荷重が一部に集中したり、歩くときの蹴り出しが不十分になったりすることがあります。

整形外科たけなかクリニックでは、

・足趾をMTP関節から動かす練習
・足部内在筋の運動
・内側・外側・横アーチへのアプローチ
・足趾の接地や荷重の確認
・必要に応じたインソールや靴の調整
・歩き方や下肢全体の使い方の改善

などに取り組んでいます。

足趾や足部の筋肉を動かすことは、足部機能を整え、筋肉の収縮による循環を保つ助けにもなります。

血管疾患や明らかな神経障害がないことを確認したうえで運動療法を継続する中で、足先のしびれが軽くなったと感じられる方もいます。

ただし、しびれの原因や運動療法の効果には個人差があり、すべてのしびれが足趾運動で改善するわけではありません。特に末梢動脈疾患や進行する神経麻痺は、足趾運動だけで対応する病気ではありません。

診察では何を確認するのでしょうか?

当院では、次のような点を確認します。

・しびれや痛みが現れる場所
・歩き始めてから症状が出るまでの距離や時間
・座る、前かがみになることで改善するか
・腰や股関節の動き
・足首や足趾の筋力
・感覚や反射
・足の脈、皮膚の色や温度
・足趾、MTP関節、足部アーチの動き
・立ち方や歩き方
・糖尿病や動脈硬化のリスク

必要に応じて画像検査などを行い、血管由来が疑われる場合には、血流を評価できる医療機関や専門科へご紹介します。

このような症状は早めにご相談ください

・急に足首や足趾が上がらなくなった
・つまずきや転倒が増えた
・脚のしびれや筋力低下が進行している
・安静にしていても足が強く痛む
・足が急に冷たくなった、白色や紫色になった
・足に治りにくい傷がある
・排尿や排便がしにくくなった
・陰部周辺の感覚が鈍くなった

歩くと脚が痛む、しびれるからといって、すべてが腰からくる症状とは限りません。

腰、末梢神経、血管、足部機能などを確認しながら、何が症状を引き起こしているのかを一緒に探していきましょう。

脚や足先の痛み・しびれでお困りの方は、お気軽にご相談ください。

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